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マウンティングを叱らないで!僕たちコミュニケーションしてるだけだよ

体がとっても小さく愛らしいフェイスのチワワちゃん。だけどそこは立派な犬。
マウンティングは立派に(!?)やります(もちろん個体差あり)。
家の中ならまだいいのですが、散歩やドッグランで他のワンちゃんに出会ったときにマウンティングすると、ちょっと気まずい空気が流れますよね。

また、マウンティングは優位行動の表れだから即止めさせるべき!という考え方のトレーナーも多いため、マウンティングを止めさせる方法はネットで検索したり物の本を読めば、簡単に見つかります。

私もチワワに対して知識/経験が浅かった頃は、マウンティングをすると叱ったり、気をそらせたり、あるいは逆マウンティングやアルファ・ロール(犬をひっくり返してお腹を見せさせること)を仕掛けたりしていました。
こうすると確かに一定の効果はあるようなのですが、どうもその後、チワワちゃんの様子がおかしいのです。
例えば、みんなで遊んでいる時間におどおどしたり、遊びながらもこちらの顔色をうかがっていたり、社交性や犬らしさが無くなっているように感じる機会が数多くありました。
それに、いくらしつけてもマウンティングをゼロにはできなかったのです。
(中にはとても頭の良い子もいましたが、同様です)
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そこで、今一度ゼロベースで考え、いったいマウンティング行動とは何なのだろうか?と、入店する数多くのチワワたちを数カ月にわたって観察してみることにしました。
その過程で様々な気づきが得られ、巷で言われている「自分の権威を見せつけるためにマウンティングする」かというと、どうもそれだけではないと思えてきました。

 マウンティングについて

Wawaコラムを読んでくれている方にとって、マウンティングについては耳たこでしょうから簡単に。

犬のマウンティングには3つの意味があると言われています。
1. 繁殖行動
オスは生後約半年で性成熟時に入り、7か月前後から子孫を残すことが可能になります。
この頃には、クッションなどを使ってマウンティングする光景を目にしたことがある飼い主さんは多いと思います。
また、メスでも発情中にマウンティングをすることがあります。

2. 上下関係の確認
群れの中でのランキングを確認したり、曖昧な順位を決定するために使う一種のコミュニケーション方法です。

3. 興奮あるいは欲求不満の表れ
興奮した時、生後数ヶ月のワンちゃんでもマウンティングを行うこともあります。
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数多くのチワワを行動観察して気付いたこと

1 遊びに誘うサインとしてのマウンティング
コミュニケーション能力の高い子は、様々な「遊ぼう!」のサインやカーミングシグナルを使い分けます。
例えば、口を大きく開けたり、姿勢を低くしたり、数秒間目を合わせたまま動きを止めたり、などなど。
一方で、ちょっとシャイだったり、上記のような正面からのアプローチが苦手な(遊びに誘うカーミングシグナルをあまり学んでいない?)子は、「こっそり後ろに回ってマウンティング」を遊ぼうのサインとして多用します。
このことから、マウンティングは「他の犬と遊ぶ」という、犬の社会化の上でも最重要コミュニケーションのきっかけの1つと言えます。
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2. よくマウンティングされている子の順位が低いとは思えない
マウンティングを許してくれる子(総じて愛想がよく、コミュニケーション能力が高い子)はいろいろな子からマウンティングされます。
そしてマウンティングをきっかけに、レスリングごっこに発展します。
当然、マウンティングされた子がレスリングごっこで勝つこともあるし、餌を食べる順番も早く、群れでの順位が下ということは決してありません
つまり、巷で言われているような、優位行動の表れではないことが分かります。
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3 マウンティングを本気で嫌がる子にはしなくなる
腰をつかまれると行動が制限されるので、嫌がる子は唸って振りほどき、拒絶反応を示します。
こうしてマウンティングを嫌がられることを理解した子は、次に同じタイプの子に出会った時、マウンティングしなくなるまでの回数が半分以下に減少します。
これはコミュニケーションの結果として学習していることを意味します
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冒頭に「過去に、かなり頭の良いチワワちゃんをしつけても、マウンティングをゼロにはできなかった」と述べましたが、やはりマウンティングは本能的かつコミュニケーションする上で欠くことのできない行動であり、それを止めさせるというのは、ワンちゃんに対してかなり不公平な処置だったのだと強く実感しました。

得られた知見:マウンティングを叱るべきではない

やはりポイントは「人間目線で解釈しないこと」だと思います。
犬たちにとって、マウンティングは人間が思うような ” はしたない行為 ” ではありません。
我々のように言語や表情、ボディランゲージのバリエーションが少ないワンちゃんが、生殖行動の一部を感情表現に流用しているだけなのです。

ご存じの通り、犬にとって他の子と遊ぶのは社会化の意味でも非常に重要な行動です。
それを人間の都合で、その少ないコミュニケーション手段を制限することはあってはならないし、叱る必要は全くありません
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ただ、人間社会の中においては、繁殖行動であれ、順位付けの確認であれ、好ましくない行動に映るのも確かです。
そこで、Wawaが提案するのは「単に止めさせる」です。
ドッグランなどで他人のワンちゃんにしつこくマウンティングをした場合にも、例えば(怒らずニュートラルな声色で)名前を呼んだり、抱っこしたりして「単に止めさせる」。
これだけにとどめましょう。

ましてや、家では許しているのに外では叱るなど、ダブルスタンダードな行動は厳禁です。
ワンちゃんが混乱してしまい、果ては飼い主への信頼が失われてしまいますよ。

繰り返しますが、群れで暮らしてきた犬にとって、マウンティングは犬社会で生きる上で欠かせない大切なコミュニケーションのひとつなのです。
人間の都合はひとまず置いておいて、ワンちゃん目線で物事を見るとまた新しい発見があるものです(^-^)
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